「夢を創る。」をモットーに岩手北上の地にて「象嵌」の技法で美しいものづくりをする女性集団「夢工房」。
その技法は、この土地にいにしえより根付かれたいわば伝統工芸ではなく、この工房独自のアイデアと技術のたまものでした。
その美しさの中に秘められた奥ゆかしき取り組みをご紹介します。

美しい工芸を現代に表現したい

岩手県平泉の国宝「中尊寺」。

とりわけ金色堂は、極楽浄土を具体的に表現しようとした、藤原清衡公の切なる願いにより 建立されました。
なかでも夜光貝による螺鈿細工は、南洋からシルクロードを渡ってもたらされた、 美の極み。

岩手県が世界に誇る世界遺産です。

この素晴らしく、美しい工芸を、身近に感じていただけるように、現代に表現できないものか、、、。
そして地元の産業として息づかせることはできないだろうか。


「夢工房」先代社長、藤田氏は考えます。
当時、螺鈿(象嵌)細工は、寺社仏閣等に使われることから、京都や、銅器の産地でもある 富山県が生産地で、この技法を使う京漆器や高岡漆器は国の伝統的工芸品に指定されています。
※伝統的工芸品とは100年以上継続されている工芸品が条件。

藤田氏は、この美しく繊細な工芸を、地元の新たな産業とすべく挑戦。
まず、この技法で一番大切となるのは、木や貝を細やかに「象」(かたど)り、 「嵌」(は)める技術。その製法をオリジナルで生み出すことに成功します。

そして、「夢工房」は始まりました

1994年、いまから約30年前に、この地岩手に「夢工房」がスタート。


最初に製作したのは、木象嵌の「宮沢賢治」。
岩手のこの新しい工芸は、地元ゆかりの文化とナチュラルに融合し、広く受け入れられていきます。

そしてこの技法には、とても繊細で注意深い作業が必要です。

工房では、商品は地元の女性スタッフにより企画されます。
実際に使われている方のご意見などをもとに、作るアイテムを決め、デザインを作り上げます。
そして、地元の女性職人の手によって、 ひとつひとつ丁寧に製作されます。

新しい挑戦は、地元を越えて...

とりわけこうした技術をベースに、夢工房が1999年より試行錯誤しながら技術を高めて作ったのが「象嵌箸」。
箸の約9mm の幅の極限まで細かな模様をはめ込んでいくため、より技術を極める必要があったのです。

また、そのこだわりは、素材えらびと使い方にも。

「貝」象嵌に使われる貝は主に、白く落ち着いた光を放つ「アワビ貝」。
他の産地ではよりきらめきのある貝が使われますが、日用使いのものには、 華美になりすぎてしまうことも。

「美しさを身近に。」
亡き先代社長の思いが引き継がれます。

木材は、パープルハート、ウォールナットなど、色合いや木目が美しい無垢材を使います。
箸などに不向きな曲がった材は、箸置きやストラップに加工したり、 国産材の山桜は間伐材を使用。
また、端材は燃料等に使用したり、材は無駄なく使用します。

捨てるという発想はまず、「ない」!

この、新しい挑戦は、地元岩手県の域を越えて、「黒檀箸置」はこのたび、

2度目の受賞となる
「第49回全国推奨観光土産品審査会 経済産業大臣賞」
を受賞しました。

いにしえの、「つわものどもが夢の跡」には、 奥ゆかしき、新しき「夢」が創られ続けていく・・・。
そして70年たったとき、
「夢」=現実となり、岩手が誇る新たな国の伝統的工芸品になっていることでしょう。

そのときにはもう、SDGsの目標なんて、もはや「いにしえ」であってほしいものですね。

【 商品情報 】

FU2373
夫婦箸セット 貝象嵌 さくら
価格 : 11,000円(税込)

FU2374
夫婦箸セット 貝象嵌 ひょうたん
価格 : 11,000円(税込)

サイズ 箱寸 W7.0×D27.5×H1.7
仕様 木製・ウレタン塗装 化粧箱

天然木の美しい色味に、貝の光沢が程よいアクセントの夫婦箸は、 吉祥文様柄で贈り物としてもおすすめです。


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